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産業廃棄物と一般廃棄物は何が違う?産業廃棄物の分類や処理の流れを簡単に解説!

私たちが日常生活を送るうえで排出する一般廃棄物とは別のものとして産業廃棄物があります。

産業廃棄物は廃棄物処理法で定められた物質で、決められた方法で適正に処理しなければなりません。

本記事では産業廃棄物と一般廃棄物の違い、産業廃棄物の分類、処理の流れ、産業廃棄物にまつわる問題について簡単に解説します。

産業廃棄物と一般廃棄物は何が違う?産業廃棄物の分類や処理の流れを簡単に解説!

廃棄物の分類

一般的に「ゴミ」と認識される廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に区分できます。

2つの廃棄物の違いについてみてみましょう。

産業廃棄物

産業廃棄物とは廃棄物処理法や政令で定められた20種類の廃棄物のことです。

廃棄物処理法は1970年に制定された法律です。

この頃、日本では高度経済成長の廃棄物問題への対応が問題となっていました。

大量生産・大量廃棄が行われ、適正に処理されない廃棄物が大量に不法投棄される事件が発生していました。

ごみの最終処分場のひっぱくや公害裁判に代表される環境問題への意識の高まりなどもあり、廃棄物に関する適正な処理をするべきとの考え方が強まりました。

そうした問題を解決するため制定されたのが廃棄物処理法であり、その法律で定められた物質が産業廃棄物でした。

爆発性や毒性、感染性などがある廃棄物を特別管理廃棄物といい、産業廃棄物に該当する場合は特別管理産業廃棄物として処理します。

一般廃棄物

産業廃棄物に該当しない廃棄物をまとめて一般廃棄物といいます。

事業活動で発生した廃棄物の全てが産業廃棄物に該当するわけではありません。

一般廃棄物でも特別管理が必要なものは特別管理一般廃棄物として処理しなければなりません。

産業廃棄物の分類

産業廃棄物は種類によって処理方法が定められています。

大きく分けると全事業対象か特定業種対応かの2種類です。

全ての事業にあてはまる産業廃棄物

全ての事業活動に該当する者は以下の13種類です。

・燃え殻
・汚泥
・廃油
・廃酸
・廃アルカリ
・廃プラスチック
・ゴムくず
・金属くず
・ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
・鉱さい
・がれき類
・ばいじん

特定の業種に限定される産業廃棄物

特定業種が対象となっている廃棄物は以下の7種類です。

・紙くず
・木くず
・繊維くず
・動植物性残さ
・動物系固形不要物
・動物のふん尿
・動物の死体

主な産業廃棄物

産業廃棄物で最も割合が高いのは汚泥で全体の4割以上を占めます。

汚泥は事業活動で発生した泥状の廃棄物のことで、排水の処理過程などで発生します。

汚泥には有機性汚泥と無機性汚泥の2種類があります。

有機性汚泥は主に下水処理施設や工場、動物を飼育している施設などから発生します。

パルプ・製紙業の廃液や動植物性原料をつかう製造業の工場、食品工場の排水、下水やし尿などが有機性汚泥の代表です。

無機性汚泥は金属工場や土木工事の現場などで発生します。

工事の過程で行われる掘削作業で発生することが多いです。

無機性汚泥は水分の含有量によって泥水、軟泥土、泥土、脱水ケーキなどに区分されます。

軟泥土は一般的なダンプトラックで山積みできない状態の汚泥で、脱水ケーキは泥水から水分を取り除き、標準的なダンプトラックに詰める状態の汚泥です。

2番目に割合が高いのは動物のふん尿で、3番目はがれき類で、工作物の新築・改築などで出るコンクリートの破片などが該当します。

この3つの廃棄物だけで全体の8割近くを占めます。

汚泥とがれき類は工事現場で発生する可能性が高い産業廃棄物ですので、工事に携わる事業者は常に廃棄物処理の問題を意識せざるを得ないことがわかります。

産業廃棄物の処理の流れ

産業廃棄物は排出した事業者が責任をもって処理しなければなりません。

こうした考え方を「排出事業者責任」といいます。

発生した廃棄物は以下の手順に従って処理されます。

1.発生した廃棄物の保管
2.許可を受けた処理業者に委託
3.収集と運搬
4.中間処理
5.最終処分

事業の過程で排出された廃棄物は危険が及ばない場所での保管が義務付けられています。

保管場所の周囲に囲いがあることや悪臭・流出・地下浸透・飛散を防ぐ措置を講じることなど保管基準が細かく定められています。

自社で処理できない場合、許可を受けた事業者に処理を委託します。

委託された収集運搬を行う事業者がルールに従って中間処理施設に運び込み、中間処理業者の手で破砕・圧縮・焼却などの処分が行われます。

中間処理の段階でリサイクルできなかったものについては埋立などの最終処分に回されます。

産業廃棄物の不法投棄

法律で定められた処理を行わず、勝手に捨てる行為を不法投棄といいます。

ピークだった1998年に比べると不法投棄の件数は大幅に減少しています。

しかし、現在でも悪質な不法投棄が後を絶たないという現実があります。

こうした不法行為に加担しないためには、廃棄物を輩出した事業者が適正な処理業者を選ばなければなりません。

処理業者の事業内容を良くチェックしてから廃棄物処理を委託するようにしましょう。

まとめ

今回は産業廃棄物についてまとめました。

事業の過程で発生する廃棄物の処理は法律によって厳しく定められています。

該当する廃棄物の処理は適正に行わなければなりません。

廃棄物処理を適正に行うことで、環境破壊を防ぎ、不法投棄を根絶させられるのです。

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