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施工管理と現場監督の違いって?役割と必要なスキルについて

建築現場に無くてはならない存在、それが施工責任者と現場監督です。両者とも、建築現場での責任を担っています。
しかしながら、両者の違いは何かという問いに答えられる方はあまりいないと思います。

そこで、今回は施工責任者と現場監督の違いについて解説します。
本記事を読むことで、施工責任者と現場監督の違い、それぞれのメリット、施工責任者と現場監督になるにはどうしたら良いのか、今後こうした職種の需要があるのかどうかについて詳しく説明します。

施工管理と現場監督の違いって?役割と必要なスキルについて

施工管理と現場監督の違いは?

施工責任者と現場監督は大きな違いはありません。
どちらも建設現場の責任者として工程・原価・品質・安全を常に管理しています。
このように、施工責任者と現場監督はほぼ同義語と言っても良いと思えます。
しかし、厳密には以下の違いがあります。

施工責任者

・各種書類処理などの実施

現場監督
・現場での指導、資材発注

このように、施工責任者と現場監督とは業務内容に多少の違いがあります。

どちらにも求められる現場管理能力

施工責任者と現場監督に共通している業務内容は、

・工程管理
・原価管理
・品質管理
・安全管理

となります。

それぞれどのような業務内容なのか詳しく解説します。

工程管理

主に作業が計画通りに進んでいるのか、進捗状況を管理します。
年間、月間、週間別に工程管理表を作成し、常に状況を把握します。工期を守ることは非常に重要です。

しかし、悪天候で作業ができない、ふいに発生したトラブルにより計画通りの進捗状況になることは往々にしてあり得ます。
そのような時に工程管理表を見直し、工期に間に合わせるための計画を立て直します。
非常に重要な管理業務となります。

原価管理

工事をする際にはあらかじめ予算が決められています。
その予算が計画通り消費されているのか管理する必要があります。
これが原価管理となります

しかし、前述した工程管理の通り、予期せぬ出来事で予定通り作業が進まないことがあります。
このような場合、予算が想定を超えてしまわぬよう様々な工夫をしなければなりません。

品質管理

何らかの構造物を造る際には、その建物が基準を満たしているのかどうか、お客様のご要望に沿っているのか、こういった品質保証をする必要があります。

施工責任者並びに現場監督は、作業者がきちんと作業をし、品質が保たれているのか品質管理を行なう必要があります。
品質管理が行き届いていない場合、作業のやり直しや、最悪訴訟の恐れもあります。
そのため、品質保証も重要な業務の一つとなります

安全管理

施工責任者、現場監督は作業者に対して安全配慮義務が生じています。
日頃から現場の状況を把握し、思わぬアクシデント、ヒヤリハット事象を未然に防ぐことが求められています。

施工管理(現場管理)のやりがい

上記の通り、施工責任者並びに現場監督には様々な責任が伴います。
苦労が多い反面、仕事を任せられるというモチベーションがあがります。

さらに言えば国家資格である「施工管理技士資格」を取得すると、施工管理の技術があると認められます。
なにより自分が携わった工事が完了した時の達成感、地図に残る建築物を造ったという点は格別で大きなモチベーションアップにつながります。

施工管理技士は現場管理のスペシャリスト

これまで述べてきた通り、施工責任者、現場監督は工事におけるプロフェッショナルであるといえます。
それは長年培ってきた経験に裏打ちされたものなのです。

さらに、上述した7種の資格を取得することで、よりいっそう経験が蓄積され、実績も増えることでしょう。
施工責任者、現場監督になるために特別な資格は必要としません。

しかし、前述した7種類の資格を取得することで優秀な施工管理者、現場監督として認められます。

・土木施工管理技士
・建築施工管理技士
・工事施工管理技士
・電気工事施工管理技士
・電気通信工事施工管理技士
・造園施工管理技士
・建設機械施工技士

このように、施工責任者、現場監督は資格取得によってさらに仕事の領域を増やすことができるのです。

施工管理(現場監督)になるには?

施工管理や現場監督になるためには、まず建築や土木に関する専門知識を身につける必要があります。
これには、大学や専門学校で建築や土木工学の勉強をすることが一般的です。

また、実務経験を積むことで、現場でのスキルや知識を磨くことができます。
施工責任者、現場監督になるために資格は必須ではありませんが、資格を取得することで仕事の幅が広がり、多くの経験を積むことができます。
このように施工責任者、現場監督になることには多くのメリットがあるのです。

施工管理(現場監督)は今後もニーズのある仕事

現在、数多くの再開発プロジェクトがある他、老朽化したインフラのリプレースなど施工責任者、現場監督の需要は益々高まっていくと予想されます。

特に、災害復旧やエネルギーインフラの更新、スマートシティの構築など、様々なプロジェクトが進行しており、施工管理や現場監督の専門知識が求められる場面が多くあります。

また、高齢化が進む中で建築物のバリアフリーや高齢者向け住宅の需要も増えており、施工管理や現場監督の役割は今後も重要性を増していくことが予想されます。
このような背景から、施工管理や現場監督は今後も安定したニーズが見込まれる職種と言えるでしょう

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