解体施工技士(解体工事施工技士)はどんな資格?難易度は高い?
土木作業員が活躍する工事現場の一つに、解体作業現場があります。
この解体作業現場の管理者になるためには「解体工事施工技士」という資格の取得が必要です。
土木作業員からのステップアップ資格として、目指してみてはいかがでしょうか。
解体工事施工技士について、具体的な仕事内容と、受験資格や難易度について解説します。
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解体施工技士(解体工事施工技士)とは?
一般的には、解体施工技士と呼ばれることが多くなりますが、正確には「解体工事施工技士」といいます。
この資格は、公益社団法人全国解体工事業団体連合会という団体が主催する民間資格です。
適切に解体工事を進める際に、主任技術者として活躍するために求められる資格となります。
解体工事は、単純に建物を取り壊すだけではありません。
解体する建物の周囲に悪影響を与えず、さらに解体した廃材を適切に処理する必要があります。
工事中は、労働災害が起こらないよう指揮監督し、さらに健康や環境に負荷を与える有害物を適切に処理することも必要です。
これらが適切に実行できる知識や技能を有する人材が、工事現場には必要です。
解体工事施工技士の資格を持つことで、これらの知識を持っていることが客観的に証明できます。
需要があるか
土木関係の資格の中には、資格を取得したもののあまり役立たないと感じるものがいくつかあります。
資格試験のために勉強したのに、役立たないとがっかりしますよね。
そこで解体工事施工技士の資格に需要があるのかについて解説します。
まず、需要の面では「ある」といえるでしょう。
高度成長期のころに作られた建物の多くは、老朽化により更新が必要です。
中には解体し、新しく建て替える必要があるものも多いでしょう。
また一般住宅においても「空き家」が社会問題化しており、住宅を解体するケースは増えています。
これらの建物の解体には、建設業許可や解体工事業登録といった行政の許認可を受けた事業者が当たります。
この許認可を受ける際には、営業所ごとに常勤する専任技術者や主任技術者が必要です。
解体工事施工技士の資格は、専任技術者や主任技術者として通用します。
解体需要が増加することが見込まれるため、建設業許可や解体工事業登録をすすめる事業者は増えるでしょう。
当然専任技術者や主任技術者となる人材を求めますので、解体工事施工技士の資格の需要は高まると考えられます。
資格取得の条件とは
土木工事に関わる資格の中には、受験に際し条件がない場合がありますが、解体工事施工技士資格の受験時には、以下のような条件があります。
指定学科を卒業した人
指定学科というのは、嗜好技術検定規則という国土交通省が定めている省令により規定された学科を指します。
具体的には建築学や土木工学、都市工学など土木施工管理や建築施工管理に関わる学科を卒業した場合を指します。
これらの学科を卒業した人の場合、次のような実務経験を積んだ場合受験可能となります。
- 大学卒業者は1年6カ月
- 短大や5年生高等専門学校卒業者は2年6カ月
- 高校卒業者は3年6カ月
指定学科を卒業していない人
先ほど紹介した指定学科以外の学科を卒業するなど、指定学科を卒業していない人は必要となる実務経験の長さが変わります。
- 大学卒業者は2年6カ月
- 短大や5年生高等専門学校卒業者は3年6カ月
- 高校卒業者は5年6カ月
- 上記に当たらない人8年以上
実務経験を1年短縮する方法
受験資格を取得するためには、指定学科を卒業したかどうかや学歴によって指定された実務経験が必要です。
ですが、これらの実務経験については公益社団法人全国解体工事業団体連合会が実施する講習会を受講することで、1年短縮できます。
講習会は2日間に渡り実施されます。
実務経験の年収短縮以外にも、試験内容が学べるものなので受験者の多くが受講するようです。
講習会の費用は支払い方法により変わります。
インターネット申し込みでクレジットカード決済なら27500円、コンビニ払いだと28000円、郵送申し込みだと30800円です。
試験の内容と難易度
試験の具体的な内容と講習会の内容は、リンクします。
そのため、講習会の内容を紹介しましょう。
1日目の内容
- 建設業法・建設リサイクル法・改正リサイクル法など
- 労働安全衛生法・規則等・労働災害統計・事例・KYT
- 石綿障害予防規則・大気汚染防止法・フロン回収破壊法
- 廃棄物処理法・廃棄物の基礎知識・建設廃棄物処理指針・有害物処理等
- 副産物調査結果・不法投棄状況・再資源化
2日目の内容
- 土木建築の基礎知識
- 解体工事の計画と管理
- 解体工法・解体用機器・騒音・振動規制法
- 解体作業・仮設・各構造の解体作業の手順・留意点・施工事例
難易度
試験は、マークシートと記述式の2形態で出題されます。
マークシート(4肢択一式で50問90分)は、100点満点中50点以上。
記述式(5問120分)は、100点満点中50点以上の正答率が必要です。
さらに、マークシートと記述式を合わせ110~115点以上の得点が必要となります。
つまり、全体で約58%以上得点できれば合格です。
合格率は48%台から60%台となっているため、約半数が合格している試験となります。
難易度としては、しっかり試験対策さえすれば高くはない試験といえます。
受験費用
受験費用は、申し込み方法により異なります。
インターネット申し込みの場合は16500円で、受験申込書の場合は19800円です。
受験費用を無駄にしないためにも、しっかり対策を講じてチャレンジしましょう。
まとめ
今後解体工事の増加に伴い、解体工事施工技士資格は需要が高まると考えられます。
ステップアップやスキルアップを目指すためにも、資格取得を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
京和工業株式会社では、住宅・建築・土木など、幅広い事業を展開しています。
資格支援制度もあるので、解体工事施工技士に興味がある方は、お問い合わせください。
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